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急性胆管炎ガイドライン2013~高齢者の内視鏡治療の是非~

御無沙汰しています.最近,夏にかまけてupしていなかったので久しぶりに…
本日は急性胆管炎の診断基準と高齢者の内視鏡治療の是非について勉強したことを書きます.

急性胆管炎診断基準

A.全身の炎症所見

A-1.発熱

(>38℃)

A-2.炎症反応所見

(WBC<4000 or >10000/μl・CRP≧1.00)

B.胆汁鬱滞所見

B-1.黄疸

(T-bil≧2)

B-2.肝機能異常

(血清ALP,γ-GTP,ASTとALTの上昇→正常上限×1.5)

C.胆管病変の画像所見

C-1.胆管拡張
C-2.胆管炎の成因

:胆管狭窄・結石・ステントなど

確定診断
Aのいずれか+Bのいずれか+Cのいずれかを認めるもの
疑診
Aのいずれか+BもしくはCのいずれか

※参考として腹痛と胆道疾患の既往が診断に有用となる.

以前のガイドラインでは,発熱・腹痛・黄疸の全てを満たすもの(Charcot3徴)か,それにALP・γ-GTP・WBC・CRPのいずれかの上昇を満たすものが確定診断となっていたことから考えれば,一部改訂されている.

次に重症度を…

急性胆管炎重症度判定基準

重症(GradeⅢ)

急性胆管炎のうち以下のいずれか

  • 循環障害(ドパミン≧5γもしくはノルアドレナリンが必要)
  • 中枢神経障害(意識障害)
  • 呼吸機能障害(PaO2/FiO2<300)
  • 腎機能障害(乏尿もしくはCr>2.0mg/dl)
  • 肝機能障害(PT-INR>1.5)
  • 凝固異常(PLT<10万)

中等症(GradeⅡ)

初診時に以下の5項目のうち2つ該当する場合.

  • WBC>12000 or <4000/μl
  • 発熱≧39℃
  • 年齢≧75歳
  • 黄疸(T-bil≧5mg/dl)
  • Alb(<正常下限×0.73)
  • 上記の項目に該当しなくても初期治療に反応しなかった場合

軽症(GradeⅠ)

上記以外

・以前の判定基準は重症の判定に菌血症が入っていたがすぐに診断できないため削除
・T-bilは≧2→≧5に変更
・年齢が中等症の基準に

ガイドラインの診断基準に基づき急性胆管炎と診断された場合,バイタル・尿量モニタリングの上,絶食・輸液・抗菌薬・鎮痛の初期治療を.重症度判定は頻回に!

そして重症度に応じた治療を.

軽症

原則として原因疾患に対する治療は炎症が消退してから.ESTは胆管ドレナージを兼ねて行うことが可能.

中等症

早期の胆管ドレナージを.成因に対する治療は全身状態改善後に施行.

重症

適切な呼吸・循環管理.全身状態をある程度改善後,可及的速やかに胆管ドレナージを.成因に対する治療は全身状態改善後.

胆汁培養→推奨度1,エビデンスレベルC.中等症以上では血培も
○胆管ドレナージには内視鏡的ドレナージを→推奨度1,エビデンスレベルB

高齢者の内視鏡治療について

胆管結石に対する内視鏡治療は全身状態・基礎疾患を考慮すべきだが,低酸素と誤嚥性肺炎に注意すれば,高齢者でも比較的安全に施行可能→積極的に施行
・全例EST,可能な限り除石
中切開程度のESTで胆汁の流出も確保できる.
・高齢者の除石困難例では無理をする必要はない

胆管ステントの長期留置でも有意義との報告もあり,長期予後の見込めない症例,長時間の治療が危険な症例では胆管ステントの長期留置もあり.

胆管ステントの長期留置例では結石完全除去例の14.4%に結石再発による胆管炎
ステント留置例の28.6%に胆管炎を認めたがステント交換で改善.死亡はなし.

ステントの種類

10Fr straight型→長期留置により結石の消失や縮小.しかしながら自然逸脱による腸管穿孔も

長期留置には7Fr double pigtailを使用している報告が多い.

straight型よりpigtail型の方が胆管炎の再発までの期間が長く有効との報告もある.
※複数ステントも有効な可能性もあるが費用対効果も考える必要がある.

ステント交換の時期

再発までの期間はだいたい6ヶ月~1年程度.
半年ごと程度のステント交換が必要と考えられる.

これから先は高齢者の増加に従って,胆・膵臓系の疾患は胃や肝臓疾患に比べ増加の一途をたどるでしょう.だからこそガイドラインに沿った標準的な治療が必要になると考えます.今日はこのあたりで…

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画像引用 hkytt2004.wilbo.jp

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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