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咽頭から食道の粘膜剥離・血腫~稀な症例,食道粘膜下血腫~

先日,先輩医師が経験された症例が珍しかったため書き留めておこうと思います.

食後の心窩部痛で受診された患者様ですが,GFをしてみると…

食道粘膜下血腫②

食道粘膜下血腫

広範な血腫が…

食道粘膜下血腫

概念・疫学

・比較的稀な疾患で医中誌(1989-2013)で95例の報告あり.
・Furukawaらの集計によると男女比は1:1.8とやや女性に多い.
・年齢分布は21-87歳で平均57歳

特発性の食道損傷としてはMallory-Weiss症候群,特発性食道破裂(Boerhaave症候群)などは教科書的にも有名ですが,食道粘膜下血腫はあまり聞きません.

これらの疾患は全て食道内圧上昇による食道壁の損傷であり
違いは損傷の深さだけです.

症状

・胸痛または心窩部痛(81%),吐血(74%),嚥下困難(34%)など
・吐血は比較的少量,一時的

成因

・特発性(嘔吐,食物または異物誤嚥,血友病,慢性腎不全,抗凝固療法)
・外傷性(外傷,内視鏡的食道静脈瘤硬化療法,心臓マッサージ)

嘔吐を伴って発症した報告が多いが,未だはっきりとした病因は不明です.

検査所見

・軽度の白血球増多や貧血
・内視鏡所見では暗赤色または紫色の粘膜下の腫脹が特徴で,立ち上がりがなだらかな長軸方向に連続した隆起.
・超音波内視鏡所見ではほぼ均一の高エコー主流を第3層に認める.
・CT・MRIで食道壁の著しい腫大を認め,出血直後ならisodensity,その後hyperdensityと変化.
・食道外膜を破綻せず食道内に限局しているか?解離性大動脈瘤などの胸部疾患との鑑別に有用.

治療

ほとんどの場合,保存的治療で治癒.1-2週で自覚症状・血腫は消失する.
予後は良好.

まあ経過観察で完治する分,前述の食道損傷よりは軽度なのですが一度見たら忘れないと思いupしておきました…

今日はこの辺りで…

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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