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Barrett食道癌の早期診断~スクリーニングと拡大内視鏡~

本日は慈恵医大講師の郷田先生からBarrett腺癌診断の最前線のお話を頂きましたので,勉強させて頂いた知識を書き留めておこうと思います.

Barrett上皮とはご存知の通り,胃酸逆流などの炎症が原因となり,その再生過程で食道扁平上皮が胃腺上皮に置換されたものです.

Barrett上皮は
・SSBE→3cm以下,全周性でない部分的なBarrett上皮
・LSBE→3cm以上,全周性

に分類されます.また扁平上皮島もBarrett上皮発見の参考になります.
境界の判別については
・日本→柵状血管が消失する場所
・欧米→胃粘膜ヒダが消失する場所

となります.

そして,その置換された上皮から発生するのがBarrett食道腺癌です.

郷田先生によればBarrett腺癌のTriasは…

Barrett腺癌trias

  1. 好発部位は右上(特に2-3時方向)
  2. 発赤所見
  3. 隆起性病変

というものでありました.国内180例以上のBarrett腺癌の大規模調査でも,半数以上はⅠ・Ⅱa病変であったということでした.

しかしながら,隆起性病変はやはりSM以深浸潤が多い様です.
欧米ではSM浸潤ではリンパ節転移の確率は28%以上とのデータもあるようです.

結局のところ隆起性病変まで育ってこないと,発見できていないということなのでしょう…
先生が強調されていたのは…

隆起性病変まで進展する前に発見する必要があるとのことです.

その所見とは

Barrett腺癌の平坦・陥凹・軽度隆起病変を発見するための所見

  • 柵状血管の不明瞭化
  • 領域性を持った発赤
  • 中拡大で…

  • 明瞭なDemarcation Line
  • White Zoneの消失
  • 強拡大で…
        

  • 異常血管の描出

などです.これらを意識して観察することで更に詳細な評価と微小癌の発見効率が上がると考えられます.

右上方向,発赤所見に加えこれらの微小病変所見がBarrett腺癌発見のTriasとなります.

LSBEで意識すべきこと

  1. 右上領域だけではなくその他部位にも癌発生が多い
  2. 多発病変が多い

SCJにかかっている病変についての注意点

拡大内視鏡で観察困難な場合が多いため予想病変範囲から10mm以上のマージンをとっての切除が望ましいとのことでした.

参考

深達度診断としてはEUSが有用ですが,SMの正診率は50%程度とのことです.
治療条件については現行のLPMまでで,MMは相対適応です.

また拡大内視鏡所見に関しても,粘膜模様や血管異常で分類する方法などが数タイプあり,日本での統一見解はもう少し,データの蓄積が必要なようです.

ともかく自分としてはTriasに従い,Barrett腺癌早期発見を意識したスクリーニングをする必要があることを感じました!

今日は遅いのでこのあたりで…

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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