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表在食道癌の診断方法~拡大内視鏡を中心に~

前回の拡大内視鏡研究会の時にupしようと思って忘れていたのを今こそ書きます!

食道表在癌は病型と壁深達度,リンパ節転移率が密接に関連しているため,病型診断が重要です.
表在癌の深達度診断にはとしてはNBI拡大内視鏡やEUS細径プローブにより詳細な進達度診断が可能になっているため,その詳細について前回の拡大内視鏡研究会での最新の知見も含めまとめます.

通常観察

一見してわかる明らかな隆起(0-Ⅰ型)や深い陥凹(0-Ⅲ型)はSM癌

必要なのは0-Ⅱ型の進達度を読む必要がある.

Ⅱ型の肉眼的特徴

・EP/LPM→陥凹が浅く,陥凹内は細顆粒状や小乳頭隆起を伴う.インゼルも見られる.
・MM/SM1→顆粒状隆起や厚みを伴う陥凹
・SM2以深→結節形成,皺襞の肥厚,一段深い陥凹がみられる.

といった様なものです.

色調としての特徴は…

・白色調→高分化で角化傾向
・赤色調→小乳頭隆起の集蔟があり,比較的分化度が良い.

※辺縁隆起を形成するⅡc,立ち上がりが不明瞭なⅡaは肉眼所見だけでは判断できない.

拡大内視鏡診断

現在の表在食道癌の拡大内視鏡分類

Type A:血管形態の変化がないか軽度なもの
Type B:血管形態の変化が高度なもの

  • B1:拡張・蛇行・口径不同・形状不均一のすべてを示すループ様の異常血管→EP,LPMと診断できる.
    B1血管
    B1 EP LPM
  • B2:ループ形成に乏しい異常血管(多重・樹枝状)→MM,SM1を示している.
  • B3:高度に拡張した不整な血管(B1の倍以上の太さのIPCL)→SM2,3と診断できる.
    B2 B3 SM2

A vascular area(AVA)
type B 血管で囲まれた無血管もしくは血管が粗な領域を AVA とする.

  • 0.5mm 未満:AVA-small→LPM
  • 0.5mm 以上3mm 未満:AVA-middle→MM,SM1
  • 3mm 以上:AVA-large→SM2,3

 
※B1血管のみで構成されるAVAは大きさにかかわらずEP/LPMに相当する

付記1:不規則で細かい網状(reticular:R)血管を認めることがあり,低分化型,INFc,特殊な組織型を示す食道癌のことが多いので,Rと付記する

✩正常IPCLは10μm以下と言われているが,B1は10-20,B2は20程度,B3は60以上となる.

この食道癌分類にて90%以上もの正診率が得られているとのことです.

拡大内視鏡の弱点

症例が集積してくるにつれ問題になってくるのが

B2の正診率が低いこと(400例検討でもB2の正診率は50%程度
・MM/SM1とSM2が鑑別困難になっている
・表層の血管変化が乏しい病変や角化やびらんを形成している病変→血管が評価できない
・表層がLPM癌で覆われながら深部に浸潤巣を伴う病巣→浅読みする可能性がある

といったような点.

✩そのような場合は肉眼的な厚みなども考慮し,総合的に判断する必要がある.また後述のEUSも活用する必要があります.
事実EP/LPMと判断した症例の中にもSM2例などが混在しているのです…

EUS細径プローブによる評価について

正常な食道壁は通常9層に描出される

・9層中の3層→MM層(粘膜筋板)
・9層中の第4層→SM層の固有エコー

特に診断効果の高い病変としては…

・陥凹内の凹凸が目立つⅡc
・内腔への露出部が少ない粘膜下腫瘍様の病変
・表面構造と病変の厚みなどの肉眼所見に乖離がある病変

などです.

※細胞浸潤や線維化,リンパ組織の増生,食道腺などは癌との鑑別が難しいこともある.

深達度診断

✩粘膜筋板を反映している3/9層の走行に注目して行い,以下の3つのカテゴリーで評価

  • EP,LPM:腫瘍による低エコー肥厚が第2層にとどまり,3層が保たれる
  • MM,SM1:3層に不整,中断が認められるが低エコー腫瘤が4層に及ばない
  • SM2,3:3層が断裂し,低エコー腫瘤が4層に及ぶ

EUS分類

と,今回は表在食道癌の診断についての基礎を

肉眼所見
拡大所見
EUS所見

に分けて書きました.今日はこのあたりで…

食道癌の最新の診断より抜粋


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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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