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表在食道癌その2~内視鏡治療適応と狭窄予防(ケナコルト局注)~

前回に引き続き表在食道癌シリーズですが,今回は内視鏡治療の適応と狭窄予防について書きたいと思います.

内視鏡治療としてはEAM(内視鏡的吸引粘膜切除術)やEMR,ESDが広く用いられていますが,いずれも一括切除が原則です.

内視鏡切除の適応

(2012ガイドラインより)

絶対的適応

EP/LPM

相対的進達度

MM/SM1(SM<200μm)

ただし…
MM/SM1の場合

リンパ節転移のリスクが10-15%はあるため
・脈管侵襲陽性(v+,ly+)
・浸潤増殖様式Inf-γ,
・垂直断端陽性

の場合は手術・化学療法・放射線療法の追加治療を考慮
※上記条件陰性の場合→十分なICのもとで経過観察も可能.

話がずれましたが,切除適応に戻ります.

・広範病変の場合(Ⅱbなど),数箇所で深部浸潤が考えられるので詳細な進達度診断が必要→前述の拡大内視鏡による詳細観察が必要.

・粘膜切除が3/4周に及ぶ場合,狭窄予防が必要

ここで今回の主題である狭窄予防について

狭窄予防

  • EBD(内視鏡的バルーン拡張)
  • 内服→PSL,リザベン(抗アレルギー・炎症)
  • ステロイド局注→リンデロン・ケナコルト

狭窄予防効果

・予防的EBD→20-60%程度の予防率
・PSL30㎎内服8W→予防率95%(19例)
・ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)100mgを局注→予防率90%(30例)
などの報告があります.

ケナコルト局注治療

方法

・術後に潰瘍周囲・潰瘍底に膨隆を作るように術後に局注

狭窄予防

・切除が全周未満→ケナコルト単回の局注で狭窄予防が可能
・全周切除→ケナコルトの単回注入による狭窄予防の効果は限定的と考えられるため,複数回の局注(2-3回)が必要

利点

局注ステロイドは懸濁液であるため,食道の局所に留まるため,全身移行による副作用(易感染・糖代謝異常・de novo肝炎など)はほとんどない.

注意点

※ステロイド局注後は食道壁が脆弱になっており,狭窄解除目的でバルーン拡張術を施行する場合は、低圧で慎重に行うことが望ましい.
(Hanaoka N et al.消化器内視鏡2013;25:671-678)
(Urausihara K et al.Progress of Digestive Endoscopy2012;81:48-52)

というわけで,内視鏡治療適応とその後の追加治療については注意を要するとともに,現段階ではステロイド局注が狭窄予防の第一選択のようです.
またこれからの検討にも目を向けておく必要がありそうですね…
今日はこのあたりで

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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