先週アストラゼネカのオンラインセミナーに行った時の話です.
現在,非ウイルス性肝癌は増加の一途をたどっているようです.
自己免疫性やBudd-Chiariやアルコール性などからの肝硬変が原因を占めますが,患者群にはある一定の傾向はないようです.
その中でもHT,DM,アルコールといった生活習慣病に関する因子が一因となっているという説があります.
その中でもアルコール性肝障害とNAFLDの概念について今日はちょっと…
アルコール性肝障害はみなさんご承知の通り,摂取量により高率に肝硬変,肝癌へと進展します.
この場合注意すべきは…
若年・大量飲酒・男性がキーワードですが,
非アルコール性の場合は高齢・非飲酒・肥満がキーワードです.
今までは脂肪肝というと大したことはないとの印象があったと考えられますが,現在ではNAFLDという概念が提唱されています.
NAFLDは非アルコール性の脂肪肝でその10-20%がNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展.
さらにその5-20%が肝硬変へと進展するといわれています.
またHCCの2-4%はこのNASHで占められているというデータもあります.
つまり,脂肪肝ですと放ってはおけないのです!
しかしながら軽度肝機能異常であれば,脂肪肝ですねと言ってしまいがちなのではないでしょうか?
以下に診断フローチャートを掲載します.
NAFLDは脂肪細胞から分泌される,アディポサイトカインの働き(善玉と悪玉あり)による炎症の一種と考えてよいようです.
善玉アディポサイトカインであるアディポネクチンの低下
レプチンへの抵抗性
そして悪玉アディポサイトカインであるTNF-αや遊離脂肪酸の上昇による炎症が本態なのです.
現在治療法としてはエビデンスの蓄積中であり,まず一番に生活習慣の改善.
薬剤としては
アディポネクチンを誘導するといわれている,チアゾリジン系薬剤やメトホルミン
酸化ストレスを軽減するといわれているビタミンE
ベザフィブラートやHMG-CoA還元酵素阻害剤
ウルソやAT-Ⅱ拮抗薬などが改善効果を示すといわれています.
今回の話を機に再度,脂肪肝についての理解を深めました.
今日はこの辺で…
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