One Doctor's Bookshelfある消化器内科医の書庫

Menu

胃拡大内視鏡の最新知見~WOS(white opaque substance)の正体~

今回の拡大内視鏡研究会ではWOSの正体と扱いについてかなり本質に迫るお話が聞け,勉強になりました.
九州胃拡大内視鏡研究会から引用させていただきます.
八尾先生,上尾先生ありがとうございました.

ということで今回はWOSについて詳しく書きたいと思います.

胃拡大内視鏡での観察・診断については消化器内科的には非常に重要で,内視鏡治療における腫瘍の範囲診断にはなくてはならないものになっています.
通常は微小血管(microvascular pattern)と腺窩形状(microsurface pattern)により,腫瘍脾腫瘍および範囲診断を行うのですが,その際に微小血管の診断を困難にするのが,WOS(白色透明物質)でありその正体は判明していませんでした.

WOSを一言でいうと

今回の発表では,WOSを一言でいうと…

上皮内細胞に沈着した,アディポフィリン陽性の脂肪滴(トリグリセリド)ということになるようです.
もともとWOSは腸上皮化生を獲得した上で発生する物質と考えられており,
現時点ではこの2つの可能性が考えられるようです.

  • 腸上皮化生の脂肪吸収不良
  • 大腸腫瘍のように腫瘍自体の脂肪産生

また恒常的ではないことから食事時間との関連性も示唆されています.

今回の目玉というのが,アディポフィリン(Oil-red O染色)での染まり方が腫瘍の分化度により差が出るということ,
そして腺腫と癌でWOSの形態に差があるということです.

アディポフィリン陽性率は分化度が高ければ高いほど上がります.
逆に未分化だと染まりません.

そしてWOSの形態の差は以下通りです.

腺腫WOS ・均一な網目状
・上皮間の均等な分布
・MCE(marginal cript epithelium)を縁取るように存在する
癌WOS ・形態に一定の傾向がない
・上皮内に不均等に分布している
・微細斑状WOSの形態をとる

このregular/irregularの観点で腺腫・癌の鑑別を行ったところ,感度79%/特異度84%(52例中)で鑑別されたと報告がありました.

また中には生検でhyperplastic polypと診断されたポリープにirregular WOSの形態があったことから,
切除したところhigh-low grade dysplasiaが発見された例も発表されていました.
これは,もともと胃型の過形成性母地に腸型の異型上皮が発生することで説明できます.

WOSについては現在検討段階であり,盲信するのは微妙ですが診断の一助とするには非常に有用な概念ではないかと思いました.
WOSについては八尾先生の名著に記載されています.

興味ある方は購読されてください!

胃拡大内視鏡

中古価格
¥14,800から
(2013/2/17 12:40時点)

余談

余談ですが,この研究会では韓国の先生も来られており,三人が英語で話す姿がとても印象的でそろそろ自分も英語の勉強を始めようと思い,スピードラーニングを始めました.
その成果については後程,

今日はこの辺で…

Shareしていただけると励みになります!

関連する記事SIMILSR POST

コメント0 comment

コメントお待ちしています

Leave a Reply

* が付いている項目は必須項目です

*

*(will not be published)

著者Author

ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

最近のコメントLATEST COMMENTS

page top