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膵癌はGEMかTS-1か?~JASPAC01試験~

膵癌は

  • 罹患率:2007年統計で29,000人
  • 年々増加傾向
  • 切除可能症例は20-30%

と非常に悪性度の高い腫瘍です.

また治療方針としては…

  • 手術(UICC病期Ⅰ-Ⅲ期の一部)+術後化学療法
  • 化学療法単独
  • 化学療法+放射線

などからの選択となります.
現在の化学療法の第一選択はジェムザール(GEM)となっています.

一方,現在TS-1は多くの施設で用いられている代謝拮抗系の抗癌剤ですが,適応としては

  • 胃癌
  • 結腸・直腸癌
  • 頭頸部癌
  • 非小細胞肺癌
  • 手術不能又は再発乳癌
  • 膵癌
  • 胆道癌

となっており,経口薬であり使用しやすい一面もあります.

TS-1 vs GEMの試験結果

今回のJASPAC01は所謂TS-1 vs GEMの試験でした(静岡がんセンターなどによる).

膵癌切除後の補助化学療法におけるこの2剤の第Ⅲ相比較試験であり,385例の患者さんが参加されました.

対象は膵癌切除後(stageⅡ以下もしくはⅢの腹腔動脈合併切除例)の患者さんで,
GEM単独かTS-1の術後補助化学療法での比較でした.

投与方法

GEM 1000mg/㎡を1・8・15日目点滴静注,22日目休薬する28日を6クール
TS-1 40-60mgを2回/日で28日投与14日休薬の42日を4クール

上記のスケジュールでした.

結果

全生存期間 TS-1優位
2年生存率 TS-1:70%,GEM:53%
無再発生存期間 TS-1:23.2ヶ月,GEM:11.2ヶ月

有害事象について

白血球減少 TS-1:8.5%,GEM:39%
血小板減少 TS-1:4%,GEM:9%
貧血 TS-1:13%,GEM:17%

というものであり,TS-1の優位性が証明されました.

経口可能症例に対しては,術後はもちろん進行・再発例に対しても第一選択となる可能性は大いにあります.
またタイミングとしても,初期の方が経口投与しやすいという考え方もあります.

この結果は今後の膵癌治療に大きな変革をもたらすだろうと考えられます.

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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