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大腸腫瘍の診断について~腫瘍の肉眼所見・pit patternを中心に~

大腸腫瘍の表面構造をクリスタルバイオレット染色による拡大観察をするという概念は自分が
研修医の時には既に確立されたものでした.

まず,肉眼所見によるスクリーニングののち,表面構造(pit pattern)による腫瘍・脾腫瘍の鑑別
ならびにより詳細な深達度診断をすることができると考えられています.

今回は初歩的なところから知識をまとめようと思います.

肉眼的SM massive所見

まず肉眼的に見て,SM massive(SM 1000μm以深への浸潤)かslightかを見分ける必要があります.
これによってEMR/ESDなどの内視鏡治療の適応が決まってくるからです.
具体的な所見としては…

肉眼的SM massive所見

  • 陥凹
  • 緊満感
  • 立ち上がり部分が非腫瘍(non polypoid grows)
  • 送気時の進展不良(弧の硬化/襞の集中/台状挙上)

などがあります.これらの所見は1つあるだけで感度70%超といわれています.

これらの所見で肉眼的SM massiveを除外した後に,pit pattern観察を始めます.

pit pattern

  • Ⅰ:正常粘膜
  • Ⅱ:hyper
  • Ⅲs,ⅢL:adenoma
  • Ⅳ:adenoma/carcinoma
  • ⅤI:carcinoma
  • ⅤN:carcinoma over SM massive

pit pattern
(ScienceDirect ページより画像引用)

これらの所見によりまず,腫瘍/非腫瘍の鑑別は90%以上で鑑別が可能です.

そしてⅤIを更に細分化することで,SM massiveかそうでないかの判断ができる可能性が出てきています.

ⅤIの分類

  • ⅤI軽度不整:M,SM slightが多い.SM massiveは稀
  • ⅤI高度不整:SM massiveと判断してよい

と判断します.これで感度は85-90%,特異度90%以上,正診率90%以上と非常に信頼性が高い所見となっています.
ただし気を付けなければならないのは,ⅤI軽度不整にもSM massiveは隠れていることです.

因みにⅤI高度不整の特徴は…

  • 内腔狭小化
  • 辺縁不整
  • 輪郭不明瞭
  • 染色性低下
  • scratch sign

などです.初歩的でしたが今日はここまでにします.また次回!

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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