今回はSSA/Pについて書きたいと思います.
90 年台に鋸歯状腺腫の概念が提唱されてから,大腸腺腫は
- 管状(絨毛)腺腫
- 絨毛腺腫
- 鋸歯状腺腫
に分類され
腫瘍様病変のひとつとして過形成性ポリープ:hyper plastic polypの概念が提唱されました.
その後SSA/P:sessile serrated adenoma / sessile serrated polypの概念が提唱され
特に過形成性ポリープとの鑑別が問題となってきました.
なぜ鑑別する必要があるのか?
ずばり,癌化するからです.そのあたりについて詳しく述べていきます.
現在hyper類似構造物の分類は
- 過形成性ポリープ:hyper
- MVHP(micro vascular)
- GCHP(goblet cell)
- MPHP(mucin poor)
- SSA/P
- 鋸歯状腺腫:TSA(traditional serrated adenoma)
となっています.
そして今までhyperと言われていたものが癌化するのか?ということが最大の論点となるわけです.
ちょっと話は飛びますが,現在大腸癌の発生としては
- adenoma carcinoma sequence
- denovo
の2タイプと言われています.
ここに新たに,”serrated adenoma pathway”なるものが提唱されています.
新潟大学などは,このパターンの癌化は大腸癌全体の5%前後を占めると発表しています.
ここからはそれぞれの特徴について述べます.
SSA/P
- 右側結腸に多い
- Ⅰs,Ⅱaタイプが多い
- 拡大観察でpit pattern Ⅱ型の開口部の広くなっているものが多い
などが特徴です.
(引用:The Aetiology of Hyperplastic Polyposis Syndrome)
SSA/P
- 左側結腸に多い
- Ⅰp,Ⅰspタイプが多い
- 松毬状と呼ばれる表面構造
などが特徴です.
(引用:大腸癌研究会)
現在は
- hyper>10mm
- TSA>6㎜
- SSA/P>5mm
は切除するべきと言われているが真相は果たして!?結論はまだ出ていませんが,今回はこれで…
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SSA/P特集です.分かり易いです!
コメント2 comments
“過形成性ポリポーシス”を検索していてこちらにたどり着きました。
差し出がましいようですが、「ここからはそれぞれの特徴について述べます.」以降の記載について、気になる点があってコメントさせて頂きます。
1項目目の【SSA/P】の画像:SSA/Pなのかも知れませんが、腺管腺腫のLSTでも矛盾しないような印象も受けます(鮮明ではないため見当違いかもしれませんが)。
2項目目は、列挙された特徴より【SSA/P】ではなく【TSA】の誤植と推定します。また、その前提で考えますと、画像についてはTSAではなく、SSA/Pの画像に思えます。
間違っていましたら申し訳ございません。