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髄膜炎の基本事項~細菌性髄膜炎ガイドラインより~

久しぶりに患者さんで無菌性髄膜炎疑いがいて,ルンバールしました.診断は予想通り,無菌性髄膜炎で一安心です.

ということで今日は,無菌性髄膜炎より重症な細菌性髄膜炎のガイドラインに準じて,基本事項を記したいと思います.
(細菌性髄膜炎ガイドラインより一部抜粋)

細菌性髄膜炎治療

グラム染色が可能な場合

  • グラム(+)球菌→肺炎球菌・ブドウ球菌・連鎖球菌
  • グラム(-)球菌→髄膜炎菌
  • グラム(+)陽性桿菌→リステリア菌
  • グラム(-)桿菌→インフルエンザ菌・緑膿菌・大腸菌群

→下表に従い抗菌薬投与.

髄膜炎 起炎菌判明時の抗菌薬

✩また抗菌薬の投与直前に副腎皮質ステロイド併用することについてもある程度のエビデンスレベルが得られているようです.
デキサメタゾン0.15mg/kg 6hごと2-4日間
→抗菌薬と同時投与または20分前
※重篤な敗血症には禁忌

グラム染色不可能または未検出の場合

最近の手術歴あり

→カルバペネムor CTRX or CEPM+VCM

手術歴なし

16-49歳,免疫能正常
→カルバペネム or CTRX

50歳以上や慢性消耗や免疫不全
→CTRX+VCM+ABPC

抗生剤投与例

・MEPM 2.0g/回 8hごと
・CTRX 2.0g/回 12hごと
・VCM 500-750mg/回 6hごと
・ABPC 2.0g/回 4hごと

投与終了は髄液所見正常化後1週間後
副作用がない限り,途中の投与量の変更は控える.

髄膜炎の臨床所見

成人髄膜炎の臨床症状発現頻度

成人髄膜炎の臨床症状発現頻度

✩よく見られる身体所見の感度特異度についても挙げておきます

・Jolt accentuation:感度97特異度60
・項部硬直:感度30特異度68陽性的中率28陰性的中率72
・Kernig sign:感度5特異度95陽性的中率27陰性的中率72

・皮疹
点状出血斑や市販→髄膜炎
ブドウ球菌・肺炎球菌でも見られる

・頭蓋内圧亢進→乳頭浮腫
・Cushing反射→遅脈,高血圧,呼吸不整
※髄膜炎における脳ヘルニアの危険率は6-8%

※Waterhouse-Friderichsen症候群→劇症型髄膜炎菌性髄膜炎のこと
ショック,副腎不全とDICで1-2日で死亡する.
その他起炎菌でも起こる.

下表は理学的所見の一般的な感度を示しております.
髄膜炎時の理学所見の感度

髄膜炎検査

髄膜炎検査アルゴリズム

髄膜炎検査アルゴリズム

髄液検査

正常値

  • 初圧:70-180 mmCSF 
  • 細胞数:正常<5mm3
  • 髄液糖/血糖:0.6-0.8
  • 髄液蛋白量<40mg/dl
  • Cl:118-130

細菌性髄膜炎

・初圧:200-500mmCSF 
※200超の場合は測定中止しグリセオール点滴
1000-5000mm3を示すことが多い

・髄液糖
髄液糖/血糖<0.4で感度80特異度98

・髄液乳酸値>40mg/dl

その他疾患との鑑別

ウイルス性髄膜炎

・初期には多核球優位になることも

・ウイルスの種類としては
エンテロウイルス→ムンプス→アデノ,水痘帯状疱疹,単純ヘルペス,EBの順での頻度

・末梢血で好中球増多がない
・CRP軽度の上昇
・髄液糖低下がない

結核性髄膜炎

・細菌性に類似
・髄液細胞が単核球優位あるいは混合型

真菌性髄膜炎

・細菌性に類似
髄液細胞は単核球優位
・免疫不全での発症が殆ど
・クリプトコッカス髄膜炎(HIV関連)が急増している

単純ヘルペス脳炎

・急性意識障害,痙攣
・臨床症状からは細菌性との鑑別が困難
・失語,聴覚障害,味覚障害,嗅覚障害,記銘力障害,運動麻痺,視野異常,異常行動などの出現頻度は低-中

と羅列していきましたが,とにかく細菌性髄膜炎の場合は迅速な診断が予後を分けるということが重要です.
それではこの辺りで…

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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