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突然の背部痛~急性発症の危険性~

救急対応をしていて思うのがやはり急性経過は怖いということです.

60代女性,換気扇の付け替え作業をし終わり,一息ついていたところで急激な背部痛を自覚し,3時間以上継続するため来院.
バイタル問題なし.
本人は多少の疼痛は訴えるものの重症感はなし.

診断は??

この方は全体的に重症感がなかったものの,急性発症であることや過去に大動脈弁逆流で弁置換術の既往があることなどから造影CT施行したところ,急性大動脈解離 Stanford A(偽腔開存型)であり緊急手術となりました,

ちなみに上肢血圧の左右差はありませんでした.

ある報告では
A型解離における,上肢血圧の左右差は感度59%,特異度15-38%といわれておりあまり信用しないほうがいい模様です.

またD-dimer>400ng/ml→感度99%,特異度34%などの報告もあるが総合的な判断が必要なようです.

ある救急病院では174例中,4例が救急外来では診断不能であったとのこと.背部痛などは一切ない非特異的な症状であったものです.
今の時代疑わしきはすぐに造影CTを撮影するのが正しい選択だと思います.

治療方針(解離ガイドラインより)

治療方針としては救急で対応すべき超急性期には降圧(血圧100-120mmHg)と鎮静・安静が重要.
ニカルジピンやニトロ,ジルチアゼムなどとβ遮断薬(インデラル)の組み合わせが頻用されているようです.

型別には

Stanford A 型 発症から1時間あたり 1~2 % の致死率.破裂,心タンポナーデ,循環不全,脳梗塞,腸管虚血などが主な死因である.基本的には緊急手術
Stanford B
型急性大動脈解離
(偽腔閉塞型含め)
発症後30 日間の死亡率は 10 % と報告されている.内科治療も外科治療も同等の結果であるとされている.しかしながら破裂や切迫破裂,下肢虚血および臓器虚血などを来した場合は手術.
Stanford A
偽腔閉塞型急性大動脈解離
まちまち.大動脈弁閉鎖不全症や心タンポナーデ合併例では緊急手術を考慮.また,大動脈径が 50 mm 以上あるいは血腫の径が11mmを越える例では高危険群と考えられ,場合によっては手術を考慮するが大規模試験は行われていない.エントリーが上行部にあるものも手術適応となるときが多い様子.
Ⅲ型逆行解離
(Stanford A 偽腔開存型)
逆行性解離の中でも偽腔が完全に血栓化した逆行解離は,画像診断を頻回に施行して血栓化した偽腔の増大や偽腔開存型への移行がないか確認しながら内科的治療が可能.

以上のようになりますが,内科管理は基本専門家に任せるべきであり,まず診断ありきであると思われます.
今日はこの辺で

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ryo

ryo

6年目消化器・内視鏡医師です。 日々の経験や症例を紹介しながら役に立った書籍や論文を紹介していこうと思っています。 まだまだ若輩者ですので色々とアドバイスなど頂ければありがたいです。 また私の好きな小説や趣味の世界についても紹介しようと思っていますので、こちらも気が向いたら立ち寄って下さい。

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